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外国人が日本で刑事罰を科された場合のリスクとは

外国人が日本で刑事罰を科された場合、その影響は刑罰そのものに留まらず、日本での在留資格に大きな影響を及ぼすこととなり、在留資格を失う可能性に直面するという極めて重大な法的リスクを伴います。

刑事手続と出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」といいます。)の手続は別個独立していますが、日本の刑罰法規に触れることは、在留資格を失い、日本からの強制退去に直結する可能性が出てきます。

今回は、刑事罰に伴う身柄拘束や退去強制、再入国制限のリスクと対応策について解説します。

刑事手続と退去強制手続の関係

外国人が犯罪の嫌疑を受けた場合、日本人と同様に刑事訴訟法に基づく逮捕や勾留手続の対象となります。

この刑事手続と、入管法に基づく収容や退去強制の手続が重なる場合は、入管法63条の規定により、原則として刑事手続が優先される仕組みとなっています。

身柄が拘束されている間は刑事手続が進められ、判決が確定して刑務所での服役が終わるか、あるいは身柄が釈放された後に、入管の違反調査等を受けたうえで、退去強制令書の執行である送還が行われる運用が一般的です。

刑事手続での結果が、その後の日本での生活を左右する筆頭の要因となるため、初期段階からの適切な対応が求められます。このため、犯罪の嫌疑を受けた時点で、できるだけ早い段階で(逮捕された場合には逮捕直後に)弁護士からサポートを受ける体制を構築することが重要です。

退去強制事由となる刑事罰の類型

どのような罪を犯し、どのような刑に処されるかによって、在留資格を失うかどうかの分かれ目が決まります。

入管法には、強制的に退去させられる事由が詳細に定められています。

薬物犯罪による有罪判決

麻薬、大麻、覚醒剤などの薬物犯罪に関与し、有罪判決が確定した場合は、その内容の重さを問わず退去強制事由に該当します。

執行猶予が付いた場合であっても、日本に留まることは原則として認められません。

薬物に対する日本の法執行は非常に厳格であり、1度の過ちが永続的な国外追放につながるおそれがあることを十分に認識しておく必要があります。

このような厳しい状況下では、事実関係を正確に整理し、法的な正当性を主張する手順が欠かせない対応となります。

1年以上の懲役または禁錮

薬物犯罪以外の罪名であっても、1年を超える懲役や禁錮の実刑判決が確定した場合には、原則として退去強制の対象となります。

たとえば、窃盗や傷害、詐欺といった一般的な犯罪であっても、判決の内容が1年以上の実刑となれば、在留資格を失うことになります。

また、窃盗罪や指定金属切断工具の隠匿携帯に係る罪により拘禁刑に処された場合も、同様の規定が適用されます。

入管法や旅券法への違反

入管法そのものに違反する行為、たとえば集団密航への加担や、無許可での資格外活動である不法就労によって禁錮以上の刑が確定した場合も、退去強制の対象です。

旅券法違反などの不法な入国に関連する罪についても、厳格な対処がなされます。

これらの違反は、日本の入国管理制度の根底を揺るがすものとみなされるため、厳しい判断が下される傾向にあります。

正当な権利を守るためには、制度の枠組みを正しく理解し、適切な段階を経て主張を行うことが求められます。

在留資格への影響と在留特別許可

刑事手続の進行中に在留期限が到来してしまう場合、更新等の対応をしなければ、在留資格を喪失するリスクが高まります。

資格を失った状態で釈放されると、そのまま入管施設へ収容される可能性が高く、生活の礎が崩壊しかねません。

在留特別許可の可能性

退去強制事由に該当する場合であっても、例外的に日本への残留が認められる「在留特別許可」という制度が存在します。

これは、法務大臣が個別の事情を慎重に考慮して下す裁量的な処分です。

日本人の配偶者がいることや、日本に子供がいること、日本での生活が長く社会に深く根付いていることなどの事情が考慮の対象となります。

例を挙げると、家族と離れ離れになることが人道上の重大な問題を引き起こすと考えられる場合には、許可が与えられる可能性があります。

ただし、薬物犯罪や重大な暴力犯罪などの場合は、許可を得ることは極めて困難であると言わざるを得ません。

自らの状況を客観的に診断し、人道的な配慮を求めるための証拠を積み重ねる作業が必要となります。

再入国の制限という重い不利益

退去強制令書によって日本を去ることになった場合、その後の再入国にも厳しい制限が課されます。

一度国外へ追放されると、原則として5年または10年間は日本に入国することができなくなります。

さらに、一定の重大な刑事罰に処せられて退去強制となった場合には、原則として二度と日本に入国することができなくなる「永続的な入国拒否」の対象となることもあります。

日本に家族や仕事がある方にとって、これは人生を根底から変えてしまうほどの過酷な結末です。

このような事態を避けるためには、刑事手続の段階から、退去強制を回避するための盤石な戦略を立てる必要があります。

妥当な手続きを積み重ねる過程を経て、最善の結果を目指す姿勢が求められます。

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刑事手続と入管手続の両面を見据えた支援

当事務所は、単に刑事罰を軽くすることだけを目的とするのではなく、その後の在留資格への影響を常に見据えた活動を行います。

刑事裁判での主張が、将来の退去強制手続にどのような影響を及ぼすかを先読みし、一貫性のある弁護活動を展開します。

検察官や裁判官に対して、外国人の立場や背景を正確に伝え、日本での在留を維持するための妥当な判決を導き出すために尽力します。

在留特別許可に向けた精緻な立証活動

在留特別許可を求める場面において、当事務所は、依頼者が日本に留まるべき理由を裏付けるための資料を詳細に収集します。

家族関係の深さや、本人の更生の可能性、母国へ帰国した場合のリスクなど、法務大臣の裁量に訴えかけるための弁護活動を行います。

多言語でのコミュニケーションを通じて、依頼者の思いを正確に書面に反映させる力は、当事務所の強みといえます。

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当事務所は、各国の法制度や文化的な背景にも精通しており、外国人の権利を保護するための高度な知見を有しています。

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まとめ

刑事罰は単なる刑罰に留まらず、退去強制や将来の再入国禁止といった、日本での生活そのものを奪う重大な不利益に直結します。

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