THE JAPANESE LAWYER 吉田幸一郎法律事務所 > 企業法務/会社設立 > M&A > 現地法人を置くことを考えた場合M&Aを選択すべき?

現地法人を置くことを考えた場合M&Aを選択すべき?

海外への進出を計画する際、拠点の在り方は経営の成否を分ける重要な要素となります。

自社でゼロから拠点を構築するのか、既存の企業を買い取るのかという選択は、将来の成長速度に直結します。

今回は、現地法人設立とM&Aのそれぞれの特徴や、成功に導くための流れについて解説します。

現地法人の設立とM&Aの比較

現地法人の設立は、進出先の国の法律に従って新しい法人を誕生させる手法です。

この形態のメリットは、親会社と法的に切り離された組織・法人格であるため、現地でのトラブルによる親会社への影響を遮断できる点にあります。

海外での営業活動を本格化させる際に適しており、組織を一から自社の色に染めることができるのも魅力です。

一方で、M&Aは海外の事業会社に出資し、その組織を傘下に収める手法を指します。

対象会社が築いてきた販売網や技術、ビジネスモデルを即座に自社のリソースとして活用できるのがメリットです。

しかし、自社での設立に比べて難易度が高く、多額の資金や組織統合のための経営資源や人材確保の点で、中堅企業や中小企業には一定の障壁が存在します。

海外M&Aを選択する際の留意点と難易度

海外でのM&Aには、国内の取引にはない特有の障壁が存在します。

まず挙げられるのが、情報の非対称性という課題です。

ターゲットとなる企業の内部状況や、潜んでいるリスクについての情報を正確に把握することは、国内案件よりも格段に困難となります。

言語の壁はもちろん、現地の会計基準や商慣習の違いにより、提示された財務諸表だけでは見えない真の姿を判断する作業が求められます。

また、国ごとに異なる事業規制や税制、さらには司法制度などの違いが、事業継続の妨げになる可能性も否定できません。

法制度の整備状況が不透明な地域では、契約上の権利を守ることが難しい局面も予想されます。

さらに、買収が成立した後の統合作業であるPMIの難易度も非常に高くなります。

言語や文化の相違に加え、物理的な距離がある中で、異なる組織を1つにまとめるには多大な労力が求められます。

意思疎通の齟齬が経営判断の遅れを招き、期待していたシナジー効果が得られない事態も起こり得ます。

海外M&Aにおいては、事前の調査であるデューデリジェンスにどれだけ労力を割けるかが成否を分けます。

法務、財務、人事など多岐にわたる項目について、現地の状況に即した診断を行う必要があります。

これらの要因を考慮すると、海外M&Aは現地法人の設立よりも経営資源の配分を慎重に検討しなければならない手法と言えます。

海外M&Aの成功に向けた流れ

海外M&Aを成功させるためには、入念な準備と迅速な実行が求められます。

どのような段階を経て進めていくべきか、その流れを整理します。

戦略策定

最初の段階では、中長期的な経営計画に基づいた戦略の策定を行います。

自社が海外市場でどのような立ち位置を目指すのか、そのために不足しているリソースは何なのかを明確にします。

単に買収を成立させることだけを目的とせず、自社の成長にどのように寄与するのかを数値化することも必要です。

買収後にどのような価値を創造できるのか、そのビジョンを共有することが重要です。

準備(Pre-M&A

次の準備段階では、統合に向けた詳細なプランを作成します。

ターゲット企業の選定を行い、相手方の経営陣や株主の意向を可能な限り調査します。

会計システムやITインフラの導入検討、さらには現地の経営を任せられる人材の確保など、時間をかけて準備を進めます。

実現可能な統合プランを練り上げるこの時期の作業が、後の成功を左右します。

また、現地の法務環境や政治情勢のリスクについても、この時期に徹底的な調査を行います。

ディール実行

折衝の実行段階では、意向表明書の提出から始まり、デューデリジェンス、最終契約の締結へと進みます。

出資の手続きを進めるとともに、関係者に対して買収の意義を論理的に説明するストーリーを構築します。

対外的な説明責任を果たすことは、現地の従業員や取引先の安心感に繋がります。

契約条件の交渉においては、現地の商習慣を理解した上で、自社の権利を保護する条項を盛り込むことが大切です。

PMI(経営統合)

そして最後に、統合の作業へと移ります。

買収成立直後からスピード感を持って統合作業を開始し、実態の把握と価値の創造を目指していくことが重要となります。

組織文化の融合を図りつつ、経営管理体制を構築していきます。

現地の従業員のモチベーションを維持し、離職を防ぐための施策も同時に進めます。

この段階での対応が遅れると、買収した資産が毀損されるリスクがあるため、早期の安定化を目指します。

吉田幸一郎法律事務所へ依頼するメリット

海外進出における複雑な課題を解消するためには、吉田幸一郎法律事務所にご依頼ください。

当事務所は、海外進出を目指す企業の経営戦略を深く理解し、その目的を達成するための最適なスキームを提案します。当事務所は、海外経験を有し、英語が堪能な弁護士が率いる優秀なチームがあなたをサポートすることができます。当事務所はこれまで様々な案件を手掛け、多くのクライアントに法的サービスを提供してきた実績と経験があります。

その具体的なメリットを以下に解説します。

徹底した法務調査によるリスクの洗い出し

当事務所に依頼するメリットの1つは、徹底した法務調査によるリスクの洗い出しです。

情報の非対称性が大きい海外案件において、現地の法制度を熟知した立場から、隠れた負債や契約上の問題を見抜くことは、事業の安定を守るために欠かせません。

未払いの賃金や残業代、係争中の訴訟の有無、知的財産権の帰属状況など、多角的な視点から精緻な診断を行います。

これにより、買収後に予期せぬ法的トラブルに巻き込まれる事態を未然に防ぐことが期待できます。

交渉力と多言語対応による契約支援

多言語での折衝や、国際的な基準に基づく契約書の作成代行も当事務所の大きな強みです。

相手方とのバランスを保ち、自社に不利な条件を排除するための交渉力は、専門家ならではの価値と言えます。

各国の準拠法に合わせた条項の選定や、紛争解決条項の最適化など、自社の権利を確実に守るための書面を作成します。

交渉の変遷を適切に記録し、合意事項を漏れなく契約に反映させることで、将来の不確実性を軽減します。

買収後の法的な体制構築支援

買収後の法的な体制構築においても、現地の規制を遵守した健全な運営を実現するための助言を提供します。

制度の違いが障壁とならないよう、事前の対策を講じることが可能です。

コンプライアンス体制の整備や、現地の役員の責任範囲の明確化など、統治の質を高めるための支援を行います。

例を挙げると、株式譲渡や事業譲渡などの手法の中から、法務のリスクを最小化できる道筋を提示します。

グローバルな法律家ネットワークとの連携

当事務所は、現地の法律家ネットワークとの連携により、常に最新の現地情報を取得できる体制を整えています。

不測の事態が発生した際にも、迅速に対応し、被害を最小限に食い止めるための体制は、経営者にとって大きな安心材料となります。

各国の当局による規制動向や、労働法の改正情報などをいち早く共有し、先回りした対策を提案します。

経営資源を効率的に配分し、リスクを最小限に抑えながら海外進出を成功させるための頼もしいパートナーとなれるよう尽力します。

まとめ

今回は、現地法人設立と海外M&Aの選択基準や進行の流れを解説しました。当事務所は、海外経験を有し、英語が堪能な弁護士が率いる優秀なチームがあなたをサポートすることができます。

迅速な市場参入にはM&Aが有効ですが、情報不足や制度の違いといった課題も多いため、不安な場合には、当事務所にご相談ください。