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【外国人向け】日本の会社が残業代を支払ってくれない場合の対処方法

グローバル化が進む近年では、外国人が日本の会社で働く場合も多くなっています。もっとも、日本の会社が残業代を支払ってくれず、困ってしまうことも多いのではないでしょうか。本稿では、外国人の方向けに、日本の会社が残業代を支払ってくれない場合の対処方法について解説していきます。

日本の会社が外国人を雇用する場合のルール

日本においては、労働基準法などによって労働者を保護する法律が存在しており、これは外国人を含む労働者のすべてについて適用されることになっています。そのため、外国人であることを理由にこれと異なる残業代に関する規定を適用しても、無効の扱いになります。その結果、外国人も日本人と同じ労働条件で雇用することになり、残業代が日本人と異なる規定で支払われることは違法の取り扱いを受けます。日本国内では、残業代に関する割増賃金の支払いが義務付けられているため、残業を行った場合には日本人と同様に残業手当が支払われることになります。また、最低賃金についても日本人と同様の規定が適用されますので、最低賃金が改められたような場合にはそれに従った賃金が支給されることになります。残業代が支払われないなど、法令に対する違反があった場合には、労働基準法などに定められている罰金の支払いが日本企業に対して命じられることになります。また、技能実習に係る外国人受け入れを行っている日本企業がこのような規定に違反した場合には、企業名及び法令に違反したことが公示されることになります。加えて、このような違法行為があった場合には特定技能、技能実習に係る外国人の受け入れができなくなってしまうため、日本企業に対しては大きなダメージがあることになります。

残業代を支払ってくれない場合の対処方法

前述の通り、外国人の場合でも残業代に関する規定は日本人が日本企業で働く場合と同じになっているといえます。そのため、日本の会社が残業代を支払ってくれない場合の対処方法としては、日本人の場合と同様となります。以下、これについて解説していきます。

違法性を確認する

まず、残業代の支払いがないことが違法であるかどうか確認することが重要です、基本的に残業代は全額の支給をしなければならないものですが、場合によっては例外にあたり、残業代の支給が企業に義務付けられていないこともあります。その場合、残業代は支給されないままとなるため、まずは例外規定の確認を行う必要が生じます。例外規定の例としては、裁量労働制が定められている場合や、事業場外みなし労働時間制が採用されている場合などが挙げられます。 

証拠資料の収集

残業代の支払いがないことが違法である場合には、未払い残業代の請求を行うことになります。もっとも、この際には資料を収集し、請求金額がいくらであるかの根拠を示すことが必要不可欠となります。証拠資料の例としては、就業規則や雇用契約書、残業時間がどのくらいであったかを示すタイムカードなどが挙げられ、このような資料を収集することで、働いている企業における残業代に関する規定を明らかにし、残業時間がどのくらいであったかを証明することが必要になります。もっとも、会社によってはタイムカードが用いられていないこともあるため、そのような場合には毎日の退勤時刻に関するメモなどを収集することになります。この場合、裁判の場で他に集めた証拠や証言などと併せて残業があったことを裁判官に示すことになります。

弁護士への相談

前述のように資料の収集を行ったら、多くの場合労働事件に強い弁護士に相談を行うことになります。裁判の場では法的な知識が必須になるほか、前述のとおり残業代が出ないことが違法になる場合とそうでない場合があるため、その判断を行う上でも弁護士への相談はほとんど不可欠といえます。当事務所にご依頼をいただくことで、残業代不払いへの違法性の有無や請求額の見込みをつけ、裁判の場で有効な証拠を見つけ、残業代の獲得に向けて動くことができます。

まとめ

本稿では、外国人の方向けに、日本の会社が残業代を支払ってくれない場合の対処方法について解説してきました。外国人であっても、日本の会社が残業代を支払ってくれない場合の対処方法は基本的に日本人と同様であるといえます。そして、残業代をスムーズに獲得するためには、弁護士に相談をすることが一番の近道といえます。当事務所では、英語に堪能な弁護士が、一般民事・訴訟対応・紛争解決・交渉対応についてのご依頼を承っております。お気軽にご相談ください。