吉田幸一郎法律事務所 > 刑事弁護 > 逮捕/勾留対応・接見/差入れ > 外国人が日本国内で逮捕された場合の流れと注意点

外国人が日本国内で逮捕された場合の流れと注意点

外国人が日本国内で逮捕された場合、通常の刑事手続きに加え、日本国内に在留し続けられるかなどといった心配も発生します。そのため、十分な知識を持っていることはとても重要だと言えます。本稿では、外国人が日本国内で逮捕された場合の流れと注意点について解説していきます。

外国人が日本国内で逮捕された場合の流れ

日本国内で外国人が逮捕された場合には、日本人が日本国内で逮捕された場合と同様の手続きを辿ることになります。以下で簡単に説明していきます。

身柄拘束・取り調べ

日本国内で外国人が逮捕された場合、まずは警察の留置場などにおいて最も長くて72時間に及ぶ身柄拘束を受け、取り調べを受けることになります。その後、延長の必要性があると判断された場合には、検察官から勾留請求が行われ、裁判官がこれを認めた場合には、最も長くて10日に及ぶ勾留という形で身柄拘束が続くことになります。これはさらに延長されてしまう可能性があり、その場合最長で10日間の延長になるため、起訴前の身柄拘束の期間は最長で23日間に及びます。

起訴

捜査を経て犯罪の事実が明らかであると検察官に判断された場合、起訴されることになり、呼び方も被疑者から被告人に変わってしまいます。この場合、刑事裁判によって犯罪事実の有無やどのような刑を受けるかが決定することになります。犯罪事実についての嫌疑が不存在、もしくは不十分であると判断された場合や、犯罪が軽かったり心神喪失の事実が認められたりして犯罪が不成立となった場合には、不起訴処分が下り、被疑者は身柄拘束から解放されることになります。不起訴処分の獲得や身体拘束の期間の短縮には、弁護人の活動が重要になってきます。

起訴後勾留、保釈

起訴されてしまった場合には引き続き身柄拘束を受けることになりますが、保釈が認められる場合もあります。この場合、保釈金の預け入れが必要になります。

刑事裁判

刑事裁判においては、有罪か否かに加え、どのような刑罰が科されるかについて決定されることになります。刑事裁判が終了し、有罪の判決が下ると、そこで決定された刑罰を受けることになります。刑罰には死刑や懲役刑、罰金刑などの種類がありますが、一定以下の刑である場合には執行猶予という制度により一定期間の間刑の執行が行われないことがあります。

外国人が日本国内で逮捕された場合の注意点

外国人が日本国内で逮捕された場合には、注意すべき点がいくつかあります。以下、それぞれ解説していきます。

在留期間の経過に気をつける

逮捕を理由とした在留資格の取り消しが行われることはありませんが、身柄拘束をされている間に在留期間が経過してしまったら、不法滞在者として扱われ、身柄が解放されても入管による強制送還が行われてしまうことが考えられます。したがって、在留期間について心配がある場合には、弁護士に更新手続きの依頼を行う必要があります。

有罪判決が出た場合、強制送還になってしまう可能性がある

出入国管理法や難民認定法では、有罪判決を受けることが、刑罰法規違反として退去強制事由になってしまうことがあります。これにあたるか否かは犯罪の重さによって違い、多くの場合無期または1年を超える懲役や禁錮といった重い実刑判決が下ると、日本の刑務所で服役した後に強制送還となり母国に送り返されてしまうことになります。また、このような重い刑罰にあたらない場合でも、薬物事犯をはじめとした日本の秩序を乱すような一定の類型の罪を犯してしまったときには、強制送還となってしまうこともあるので注意が必要です。

まとめ

本稿では、外国人が日本国内で逮捕された場合の流れと注意点について解説してきました。外国人が日本国内で逮捕された場合、馴染みのない法律に基づいて手続きが進み、身体拘束が長くなってしまう場合も少なくないため、心細い思いをする場合も少なくないです。精神的な安定感を得たり、外界との接触を図ったり、在留期間に関する心配事を減らしたりするためには、弁護士のサポートを受けることが有効になってきます。そのため、日本国内において犯罪事実を疑われてしまった外国人の方は、まず弁護士に相談することが大切です。当事務所では、英語が堪能な弁護士が、逮捕/拘留対応・接見/差入れについてのご依頼を承っております。お気軽にご相談ください。